愛と平和

 

今井義行

 
 

冷蔵庫のなかにあるもの全部
食べてしまった後で
泣いてる

愛と平和 が ほしい ──

「愛」

「平和」

べつべつに
ならべて それからよせて。

飢えている私は
とおい あなたと暮らしはじめようというのだ

約束の時間に
ビデオ画面で 通話 ──

「何してるの、ユキ?」
アルジェリーが 語りかけてくる
白いキッチンに
真っ黄色のTシャツ
褐色の肌に よく合う配色だ

「テイクアレスト、オンザベッド」
「テイクケア、ユキ」

「ぼくのからだをあまり見ないで、、、、
食べすぎて とても 肥ってしまったんだ、、、、」

私は 大きな西瓜が1個入ったような自分のお腹を反射的にかくした
なぜ そんなに 食べすぎるのか
物理的な距離だとか時差だとかを
埋め尽くすように 食べるのか?

ビデオ通話では わかり合いづらいものがある ──

「I miss you、、、、、、」

私は 沈黙する

「恥じる必要なんてないよ、ユキ
あなたが肥ろうが 痩せようが
禿げようが 足が1本なかろうが あなたは、あなただ」

「ありがとう、アルジェリー」

「2019年の12月23日から
2020年の2月2日まで 40日間私たちはフィリピンで過ごします
私は とても エキサイトしています」

「そして1月26日 日曜日は結婚式だ」

「その間に 私たちはボルケイビーチヘ行く
娘たちも いっしょにね」

そんなに長い期間 一緒に過ごすのは 初めてのことだった

「I miss you、、、、、、」

「I miss you too、、、、、、」

ビデオ画面での 通話は 20分くらいで終わる ──
時差が 6時間あるので
アルジェリーは 昼食後 ふたたび仕事に戻るのだ

「ヴェリィヴェリィヴェリィ、ホットヒア」

「I miss you in bed、、、、、、」
「I miss you in bed、、、、、、」

、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、

訪問看護ステーションの末吉さんが 訪ねてきた日
血圧測定 検温をしているとき
私は「じつは 来年 結婚するんです 」と言った
「こころの支えがあるのは良いことだよ、、、、、、」と末吉さんは言った
「お金 あとどれくらいあるの?」
「、、、、、、、、、、」
「生活保護を受けるとして
夫婦共倒れに ならないために
入籍してから 生保申請するのが良い 奥さんも受給できるから」

「愛」

「平和」

べつべつに ならべて
それから
よせて

冷蔵庫のなかにあるもの全部
食べてしまった後で
泣いてる

愛と平和 が ほしい ──

「彼女は 工場で働きたいと 言ってます」
「すぐには 見つからないだろうねえ」
「日本語は 堪能なの?」
「いいえ、、、、、、、」

「すぐには 見つからないだろうねえ」

約束の時間に
ビデオ画面で 通話 ──

愛は ふかい
平和は ひろい

「ぼくの日本の友人たちが心配してくれている、、、、、、、」
「何を、、、、、、?」
「生活について、、、、、、、」
「ノウプロブレム
ネガティブな思考は しないこと
メモリアルデイに むけて
ちからを あわせるの」

「I miss you in bed、、、、、、」
「I miss you in bed、、、、、、」

アルジェリーは 仕事からあがって
シャワーを浴びている

水しぶきが こちらに撥ねてくる勢いだ
42歳の
フィリピーナの

まるい 乳房が 揺れている

愛と平和 が ほしい ──

「愛」

「平和」

べつべつに
ならべて それからよせて。

飢えている私は
これから

これから
とおい あなたと暮らしはじめようというのだ

 

 

 

聖ニノ像

 

今井義行

 
 

私たちは 1度は 離れたので
そして
私はまた 無宗教者 だったので
エンゲージリングとキッチンウェア以外のもの
例えば
いのりの 象徴

聖ニノ像は
失くして しまったのだ

アルジェリーは
ビデオ通話で「一緒に写ってる写真を
プリントアウトしてください」と言った
私は「データは殆どないんだ」と言った

すると あなたは
「じゃあ ニノは?
ニノは どこにあるの?」と言った
私は「ニノは、わからない」と言った

「ニノはどこに? ニノに
いのってほしいの」とあなたは言った
「ニノは 聖人なんです」

「イエス、アイアンダースタンド」
(ごめんよ、アルジェリー、、、、)
「古い アイフォンから
写真のデータを たくさん見つけたわ
それをプリントして
提出書類に 添付します」

結婚式は 早まって
2020年1月26日 日曜日になった
あなたは 教会結婚式を 夢みていたが
私が クリスチャンでないので
多目的ホールでの 市民結婚式になった

「調べてみたけど
フィリピン式の 結婚式は 複雑そうだね」
「ノウ !」
「そう ?」
「きれいに 書類をそろえれば だいじょうぶよ
きれいに、、、、」

私たちが使っているのは
WhatsAppという コミュニケーションアプリだ

中東では これが主流のようだ
WhatsAppの ビデオ画面の中で
あなたは 純白のガウンを夢みている
多目的ホールには
家族や 親戚たちの祝福がいっぱい !! 「ニノはどこに? ニノに
いのってほしいの」とあなたは言った
聖ニノ、もしくはグルジアの亜使徒光照者 ニノは、4世紀のグルジアにキリスト教を伝道・紹介した女性である。※引用
多目的ホールには
贈られた 花束がいっぱい、、、、
「ユキ、何処にいるの ?
花束が まぶしくて まわりが見えないわ、、、、」
「アルジェリー、
ぼくは ここに 居るよ !!
あなたが さがしていた 聖ニノ像も
ほら、ここに あるよ !!」

1度は 失敗してしまった 結婚
1度は 離れてしてしまった私たち
今度こそは 幸福に ならなきゃね

多目的ホールには 讃美歌がなりひびく
長女のリアンが
次女のアンジェラが
三女の ペンペンが
あなたのまわりを 輪になって踊ってる
「Congratulations、ママ !!」

私は その輪の真ん中に
聖ニノ像を そっと 置く
「私たちみんなを どうぞ 護ってください !!」

「ユキ、あなたの部屋を 写真に撮って
送って頂戴 ──」
「いま用意するから 待ってて」
「はい」
「送ったよ これがぼくのアパートメント
1階で ここが窓
ここがキッチン ここがユニットバス
ここが ベッド ──洗濯機は置けない造りなんだ」

「ノウプロブレム
私は 洗濯物を手洗いするし
窓辺に 蘭の花をかざるし
きれいに ベッドメイキングします
日本に 行ったなら」

(アルジェリーが 日本に滞在するためには
入国管理局が発行する
在留資格認定証明書が 必要不可欠である

実は この認定を受けるのが難しい
日本人とフィリピン人の
国際結婚の場合
まず 偽装結婚が疑われるからだ、、、、)

そんな話を いつだったか
アルジェリーに したことがあった

「なぜですか ?
私たちは リーガルに きれいに
話を進めているのに なぜですか ?」
「入国手続きを 穢してしまった人たちがいるんだ」
「、、、、、、
私は あきらめません
私たちは 何ひとつ
悪いことをしていないのですから
We only pray !!」
「そのとおりだ
私たちが 裁かれる 筋合いはない」
「私たちは 真剣に
メイクラヴをした 私たちは私の家で
いっしょに
食事をして いっしょにシャワーを浴びた」

今度こそは 幸福に ならなきゃね

多目的ホールには 讃美歌がなりひびく
長女のリアンが
次女のアンジェラが
三女の ペンペンが
あなたのまわりを 輪になって踊ってる
「Congratulations、ママ !!」

「Congratulations、パパ !!」
WhatsAppの ビデオ画面の中で
あなたは 純白のガウンを夢みている
それは とても正しい 夢だ

「アルジェリー、おいで !!」
私は 画面の中から あなたの手を強く握って
引っ張り出す
「アルジェリー、おいで !!」

あなたは 私のアパートメントの1室の
貧しい ベッドサイドで
純白のガウンを ひるがえしている

アルジェリーは しばらく
呆然としてから 頬を昂揚させて
私に言った
「この部屋をきれいに アレンジメントします !!」
「うん、まかせるよ !!」

「それから私、
ベッドサイドに 聖ニノ像を飾ります──」

 

 

 

I Want You

 

今井義行

 
 

おたがいに
I Want You です

もしも 私たちが結婚できるなら
アルジェリーはドーハで労働契約を更新しない

2020年の話 ─ ─

2020年の6月に私たちは
フィリピンで
教会結婚式を挙げるつもりである

私は障害者である上に
とても 貧しい

しかし あなたは
ビデオ通話で 白い歯を見せて 笑うのだ
「ノウプロブレム 」

Facebookで知り合って
2016年からのつきあいになるね

実現するのなら

あなたは
結婚ビザを得て
日本で 労働契約をする
輝く場を獲得する

そして
次女の アンジェラが
学校を卒業したら
フィリピンから日本にきて日本で活躍する

それが おたがいの
I Want

あの日・・・・・・・・・・・・

「肌のいろが醜いよ」
こころにもないこと言っちまって
遠距離で口論になった

「ええ、あたしは醜い」
「ええ、あたしは醜い」
「ええ、あたしは醜い」

貸すよと言ったおかねを貸さずに
ブロックしてしまった
まわりに反対されたから・・・・・・・・・・・・
醜いのは、私の方。

あなた、よく私を赦せたな
その寛容さは
一体 何処からくるのか

ローマンカソリックか
あなた本来の 人格か

きっと 両方だね
私はあなたに敬意を持つようになった

約束するよ

私はあなたを しあわせにします
私はあなたとあなたの家族を愛しぬきます

あなたのパパもママもきょうだいも私の妹家族も
私たちは 1つの家族になる

みんなで 大きな家族になるのだ

そんな簡単な話じゃないことは
わかっている ────

2020年にも
入国管理局は 厳格だろうし
私は 生活苦に瀕してもいるだろう

けれど 午前2時 今日も
あなたは ビデオ通話で笑う
「ノウプロブレム」
褐色の肌のあなた
チキンステーキを頬張りながら私にメモを見せる

2020年6月までの
経費の 試算書 ────
足りない分は 持っている人が助ける
「私たちは、家族ですから
できないことは ないです」

「私は力を尽くすよ、アルジェリー」
「前だけを見るのよ、ユキ
私は、日本で死ぬまであなたと暮らしたい」

「OK 何の異論もない」
「フィリピンに土地があるの
そこに6部屋のアパートを建てて
私たちの 副収入にします」

「プロパティ、
それは 私たち2人のものです
あなたが働けないなら
私が働いて助けます
私たちは夫婦になるのですから!」

2020年の1月には
私はフィリピンに渡り彼女と合流する
私たちは 40日間を
彼女の家族たちとともに過ごし
婚約者として 紹介される

それから私たちは
次女のアンジェラと3女のペンペンと
いっしょに
ボルケイビーチへ行って太陽の光を浴びる

私は太ってしまった体を
からかわれながら
家族と 水しぶきを浴びせあうだろう

それが おたがいの
I Want

アルジェリーは
日本の工場で働きたいと言っている
私は
アルジェリーに言っている

「ユーハヴアチャンス」
「ユーハヴアチャンス」

そのような話 先日
作業所の 施設長の岩崎女史にしたら
しばらくしたのち

「うひゃあ」としりぞいていた
生活保護予備軍の私から
まさかそんな話が飛び出すと思っていなかったのだろう

「でも、素敵だわ
大変だとは 思うけれど、、、、」

「おたがいに
IWant You なのです
作業所の みんなが おたがいに
IWant You で あるように」

「私、良い 結果を
祈っているわ ────」

「どうもありがとうございます
それでは 今日は
これで 上がります ────」

 

 

 

何の変哲もなかった空が

 

今井義行

 

何の変哲もなかった空が 今日の午後 濁っちゃったよ
夕べ イイジマコウイチさんの 詩を
読んでしまった その為 なんだろう ──・・・・

 

「他人の空」

空白鳥たちが帰って来た。
空白地の黒い割れ目をついばんだ。
空白見慣れない屋根の上を
空白上ったり下ったりした。
空白それは途方に暮れているように見えた。

空白空は石を食ったように頭をかかえている。
空白物思いにふけっている。
空白もう流れ出すこともなかったので、
空白血は空に
空白他人のようにめぐっている。

 

戦後 シュールの 1篇の詩
還ってきた 兵士たち ──・・・・
途方に暮れているような 彼らを受け止めて
空は 悩ましかったの かもしれないが

そう 書かれても わたしは ランチタイムに行く途中で
さっぱりとした 青空を 見あげたかったよ

暗喩に されたりすると

プラネットアース の
何の変哲もない空も 台無しだ

わたしの行き先は 豚カツチェーン店の「松乃家」
食券を買って食べるお店は
味気無いと 思っていたけれど
味が良ければ 良いのだと考えが変わった

そうしていま わたしを魅了して やまないのは
『ミルフィーユカツ定食 580 円・税込』
豚バラスライスを何層にも重ねて やわらかく揚げた
大変に 美味なアートのようなメニューだ

豚カツ屋さんには カツカレーが 必ずあるけれど
あれには 手を染めては いけない
カツカレーは 豚カツではなく カレーです
カレーの 強い味が
豚カツの衣の塩味の旨味を殺す1種の『テロ』です

ソラ、『テロ』は 即刻メニューから 駆逐すべきでしょ ──・・・・

食券を買い求める わたしの指先は 高揚して
「松乃家」の空間で、コズミックダンス、ダンス、ダンス、

運ばれてきた ミルフィーユカツの 断面図
安価な素材の豚バラ肉を手間を掛けて何層にも重ねる
それは 確かに大変に美味なアートのようなメニュー

運ばれてきた ミルフィーユカツを 一口 齧ると

サクッ ハイパー コズミックダンス、ダンス、ダンス!!
サクッ ハイパー コズミックダンス、ダンス、ダンス!!
サクッ ハイパー コズミックダンス、ダンス、ダンス!!

わたしが ミルフィーユカツを パクパク してる時
電気グルーヴの ピエール瀧がパクられた という報せを知った
この世では 美味なものを パクパクするのは
ソラ、当然のことでしょ ──・・・・

鬼の首捕ったような 態度の マトリは 偽物の 『正義』だ
美味なアートを ね パクパクするのは
にんげんの しぜんな しんじつ
裁く ような ことでは ないでしょうが!!

イイジマコウイチさんの 時代 には
暗喩で トランス 出来たん でしょう な
ソラ、ソラも 相当に 負担だった でしょう な

いまは 色とりどりと 跳び道具が あるから な
言葉で 気取らなくても 良い時代なんだろう
詩が 書かれても 書かれなくても
詩が 読まれても 読まれなくても

誰も 気には 留めない
ソラは、ソラで 問題ないんじゃないかな

ランチタイムからの 帰りみちに ──・・・・
ソラ、ソラは、何の変哲もなかった空が
いちばん 純度が高くて 美しいと わたしは思ったよ。

 

 

 

夢のカリフォルニア(改訂版)

 

今井義行

 
 

空が灰色の日には 1 つの歌を 思い出す
音楽ストリーミングアプリから
米国のフォークロック「夢のカリフォルニア」をスマホに落とした
2020 年を目前にして
1965年を スマホに落とす なんて
不可思議な 日々の 楽しみ方だなあ ──・・・・

ワイヤレスヘッドフォンを通して 4人組のコーラスが
私の 脳の中を 駆け巡っている

All the leaves are brown (all the leaves are brown)
はっぱは みんな ちゃいろ ちゃいろ
And the sky is grey (and the sky is grey)
それから そらは はいいろ はいいろ
I’ve been for a walk (I’ve been for a walk)
さんぽに いった ことが あった あった
On a winter’s day (on a winter’s day)
ある ふゆの ひに ふゆの ひに
I’d be safe and warm (I’d be safe and warm)
やさしくて あたたかだろう だろう
If I was in L.A. (if I was in L.A.)
もしも ろすに いた ならね ならね

飛びっきりの 美貌で
後に女優にもなったメンバーの若きミシェル・フィリップスが
長いブロンドを 掻きあげながら
「この脳の中には
おおきなロケットが飛んでいるわ」とわたしの脳の中で呟いた

Stopped into a church
きょうかいで たちどまった
I passed along the way
わたしは あるいて いった
Well, I got down on my knees (got down on my knees)
わたしは ひざをおりまげ ひざをおりまげ

And I pretend to pray・・・・・・・・
そして いのるふりを したんです・・・・・・・・
(対訳は作者による)

なぜなら ば
そうすれば いつまでも
あたたかい きょうかいに
いられる でしょう?

わたしは、毎日 脳の中に必要な物質
つよい抗うつ薬を外部から取り込んでいく治療をしていた

わたしの脳は ──・・・・。
11月のはじまりから ヒッ、ヒッ、ヒッ迫していたのだった

ヒッ、それは 何処から飛来するのかさえ
ヒッ、わからない ストレスの塵の集積が
ヒッ、脳を刻々と萎縮させていく 奇妙な現象だった
ヒッ、判断力の低下は 相当なものだった

『サインバルタカプセル 20mg×3+リフレックス錠 15mg×3』

主治医が 言うには
「最高の相乗効果が得られる薬と薬の組み合わせ
この組み合わせをカリフォルニア・ロケット*というんです」
とのことだった
*アメリカ合衆国の精神薬理学者スティーブン・M・ストールが考案した療法で、
単剤処方では十分な治療効果が得られない難治性うつ病を異なる作用の抗うつ薬で
神経伝達物質のさらなる増加を図るものである。
(ネットより引用)

わたしの脳の中には 毎日
カリフォルニア・ロケットという 合金製のロケットが
飛び回っていて
それを ママス&パパスの
ミシェル・フィリップスが目撃して すぐさま
股を開いて 飛び乗ったのだ

鬱々としていた わたしの脳の中は
こすられて 充血し だんだん 気持ち良くなり ──・・・・

萎えていた わたしの 精神状態は
〈ああ、具合が いいなあ。〉と 悦んだのだ

このまま カリフォルニアへ行きたいなあ。
わたしにも暮らせそうな 夢のカリフォルニアへさ

わたしは、脳の中のミシェル・フィリップスに
メッセージの波を 送信してみた
〈こんにちは、カリフォルニア・ロケットの
乗り心地って 如何なもの ですか〉
〈えっ、誰ぁれ?〉
〈この委縮した 脳の 持ち主ですよ ははは〉
〈ねぇ、このロケット ──・・・・
カリフォルニア・ロケットって いうの?
わたし グループ内で 不貞しちゃって
みんなから顰蹙もので 鼻つまみ者扱いになってるの
ずっと ここに 棲んでも いいかしら?〉
〈ええ、どうぞ
暖かくなったら 一緒にカリフォルニアへ行ってみない?〉
〈あら、いいじゃないの!!〉

11月も半ば過ぎ 何処にも 枯れ葉が舞っていた

平成21年に 鬱病で会社を辞めて
平成も最後の時期に 55 歳になっている わたし
社会不適合なところがあって それでも社会に居て

では これから どうしようか?
今は 貯金の切り崩しと精神障害者年金で
食べている、が ──・・・・

福祉行政の 制度・制度・制度が 待っているよ

生きる権利を全うするために
制度の良いところを活用すればよい
自分の居たい場所は
制度に水を差されないところに
自分で創ろう、ってこと

そんな気持ちになれたことは、素晴らしい、ってこと
そんな気持ちになれたことは、
『サインバルタカプセル 20mg×3+リフレックス錠 15mg×3』の
功績だ 薬で楽になれるのなら
さっさと 薬の世話になるのがよい

〈ありがとう、カリフォルニア・ロケット!!〉

わたしは 次の通院日に 主治医に言った
「先生、カリフォルニア・ロケット
抜群に 効いていますよ ──・・・・
精神状態が、フワッとなって 女友達まで出来ました」
「そうでしょう!!
これ以上の 組み合わせは ないですから
女友達まで 出来ましたか 愉快 だねえ」

California dreamin’ (California dreamin’)
カリフォルニア・ドリーミン ドリーミン
On such a winter’s day
ある ふゆの ひに
California dreamin’ (California dreamin’)
カリフォルニア・ドリーミン ドリーミン
On such a winter’s day
ある ふゆの ひに

どんな状況でも カリフォルニアを 夢見よう

どんな状況でも カリフォルニアを 夢見よう

わたしは ある晩
カリフォルニア・ロケットを 経口投与した後
『サインバルタカプセル 20mg×3+リフレックス錠 15mg×3』が
喉を通って 溶けながら 胃の粘膜に吸い込まれていくのを
味わっていたのだったが
次の瞬間には 脳の中に花が咲き広がっていたよ

〈ああ、気持ちがいいなあ。〉

群青の空には やはり 合金製のロケットが飛んでいて
わたしは ロケットの一隅に 横たわっている
ミシェル・フィリップスの横顔を 見つけ出した ──・・・・

〈こんばんは、毎日の 居心地は良いですか?〉

〈ええ、気持ちがいいわあ。〉

〈暖かくなったら 一緒にカリフォルニアへ行ってみない?
そして、「夢のカリフォルニア」を 一緒に歌って みようよ〉

〈ええ、いいわあ。でも、あの歌は
けっして 朗らかな 歌ではないのよ?〉

〈カリフォルニアっていう 地名には
どこかしら 希望があるじゃないですか!!
日本▪東京の 居心地は わたしには かなり 痛いですから〉
〈あら、そうなの。〉

〈タンポポが ちらちら 咲く頃になったら
カリフォルニア・ロケットに乗って 一緒に
旅に 出てみようよ ──・・・・〉
〈ええ、いいわあ。カリフォルニアへ、ねっ

ライフ、イズ、ライフ、イズ、ショート。〉

 

 

 

55歳の2月16日

 

今井義行

 
 

55歳の2月16日に血尿が出た
肉眼ではっきり分かる 鮮血が混ざっていたのだ
独りで屋内に居ると
つい 調べ過ぎてしまう

──・・・・ なにか、大きなことではないか、と
検索ヲ し過ぎて シマウ

55歳の2月13日に 池袋の北口で
初対面のおんなと 夕方
待ち合わせをして 逢ったのだった

北口を出てすぐの 「珈琲伯爵」という店の
赤い看板を 目印に指定したのは おんなだった

「初めまして、YumuYumu です」と
30歳の 白いマスクをした おんなは喋った
どこかしたたかな 上目遣いだった

池袋の北口は ラブホテル街だ

「初めまして、Swan です」と
わたしも応えて 2 人は並んでラブホテル街へと
歩いていった

「あら 人見知りなのね、分かるわ」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「ああいうサイト、使うの 初めてでしょ」
「時間とお金の無駄遣いかもねぇ」

コンビニで買える プリペイド式の電子マネー
ビットキャッシュを オンラインで浪費した
1,500 円ずつ 1カ月半買い続けて
利用料金のチャージに充ててきたのだった

55歳は 寂しかったので
セックスフレンドを 探した

ひらがな 16 文字の ID をモバイル端末に
入力すると 視えない電子マネーは
視えない精虫のように

オンラインの 大海へ 泳いで行った
視えない誰かへ たどり着こうとして

マッチングサイトはおびただしい男性女性会員を
抱えているが 1 つ 1 つは
ハンドル名の姿の吐息 のようなものだ──・・・・

マッチングサイト内で さまざまなユーザーと
さまざまなメッセージを並行して送信し合う中
或る日 対話が 急速に 展開していったのが

YumuYumu ──・・・・
30 歳のセックスフレンドを探す既婚者だった

〈こんにちは、
YumuYumu です。お返事どうも。
早速ですが 近いうち 会えますか?〉
〈こんにちは、Swan です。
あさって 水曜日
16:00の ご都合は いかがですか?〉
〈大丈夫です。
そしたら先に初対面の条件の話を聞いてもらえますか??〉
〈はい。どのような??〉
セックスフレンド は
即会い即ホ お金で割り切りということだろう

と 想った

〈金額は こういうのの定番と聞く2万円に少し差をつけて
私なりにホテル代以外 2万2千円初対面だけお願いします。
条件は以上です。〉
〈金銭のやり取りに関わることは
現場で 変更したりせず クリアにお願いしますね〉

すると、おんなは 途端に 饒舌体になった

〈よくお金の話しをすると業者だとか売春がどうとか言われて
酷く中傷されます。でも男性目線だとわからないかもですが、
女性からしたらこういうサイトでの出会いで
初対面の条件をつけるのは当たり前なんです。
中には、ホテルで豹変する人とか、女性が情報共有できる掲示板では
被害者女性の書き込みがたくさんあります。
女性に来るメッセージって本当に9割が酷い内容で、
返す気にもならないような内容です。
常識なんて微塵も感じないんです。
そもそも挨拶もできない人、写真を載せてないのに
写真を要求して来る人、例を挙げると切りがないですが、
「生でいくらですか?」「友達と2人で攻めまくってあげましょうか?」
「売春儲かってますか?」「業者じゃなければ会いたいです」
「縛ってあげるから会おうよ」
「おっぱい見せてくれたら会ってあげるよ」とか。
こんなメッセージがほとんどで、挨拶から始まり、
まともに会話できる人があまりにもいないんです。
なので女性は多少のリスクを背負ってもらい女性の身を案じれる人で、
初対面のリスクを背負ってくれる人なら真剣に考えてて、
信用してみても大丈夫そうだなと思えるんです。〉

〈ああ、そうなんですね。──・・・・ 解りました、よ。〉

ホテルの 502 号室の中へ 2 人で入ると
30 歳のおんなは 白いマスクを外して 喋った
紡錘形の 白い二十日鼠のような 口元だった

「Swan さん、先に お約束のものをください」
つりあがった小さな眼が 私のバッグを見つめた

私は 銀行の封筒から2万2千円を出して
おんなの 手に 渡した
「YumuYumu さん、ほら、確認してください」
洒落た内装の 502 号室という 空間で
1万円札が2枚と千円札が2枚 たなびいて
私は とても不思議な 気持ちになった

毎日 倹約を迫られている 低所得層の私が
大きな金額のはずの紙幣を気安く扱っている
ビットキャッシュ決済の日々でお金に対する
感覚がいつのまにか狂ってしまったんだろか

2万2千円あればランチに 30 回は行けるよ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
こんなことやっちまってホントに良いのかい
こんなことやっちまってホントに良いのかい
Swan さんよ ──・・・・

「あと、ピル代や性病検査代に使いたいから
もう少し カンパお願いします Swan さん」
「ああ、それは無理だね!!」

「おうむ返しに ぴしゃりと 言わないでよ
私、結婚してるんだから 定期的に 検査が
必要なのよ
どちらが移したとか うやむやに出来ないの
貴男だって 検査しておく必要があるからね
それだったら 良いわよ
先に浴びて ベッドで 横たわってて頂戴」

「YumuYumu さん、貴女こそ 豹変したね」

私は 言われるままに シャワーを 浴びて

ダブルベッドの片側に大の字になって身体を
置いて みたのだったが
気持ちが萎えてしまってエレクトしなかった
マッチングサイトで 知り合った
30 歳の 初対面のおんな YumuYumu さん
上着を脱いだだけで 私の頭の脇に腰掛けた

「サイズを測ろうと思ったのに無理だわね」

「ばか正直な私にも問題があるのかもしれないが
私はいま 酷い人間不信と 生活費の散財に
苛まれている ところなんだよ」

「あのね 貴男が エレクトするまで
2時間も 3時間も 待ってられないわよ
AV でも観ながら オナニーをしてなさい
私、リングでも買ってくるわ
増強リング 3 千円位 するんだから、ね
Swan さん ──・・・・」

そうつぶやくと おんなは
上着を着て 502 号室の ドアノブに手を
掛けた 「カンパの1つもできない男!」

「きみ、きちんと戻ってくるんだろうね」
「そんなこと条件に入っていたかしら?」 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
私は そのあとずっと独りで待っていた

私は そのあとずっと独りで待っていた

私は騙されてしまったのだろうか と想っていた
55 歳の 2 月 13 日に
私の 「男性」は 終わってしまった 気がした
その感情は いびつな 結石となって
私の泌尿器内を引掻き回し出していたのでないか

そうして 3日後 ──・・・・
55 歳の 2 月 16 日に血尿が出た
肉眼ではっきり分かる 鮮血が混ざっていたのだ
YumuYumu 色 とでも 名付けたい
マッチングサイト巡りの 或る 顛末 だろうか

けれども、 呆気に取られてばかり いられない
泌尿器科外来へ 向かう力を 持たなければ!!

 

 

 

夢のカリフォルニア

 

今井義行

 
 

8月に精神的にひっ迫していたわたしは
いまの処方の薬で劇的な回復を得られた
薬で治せる物はさっと薬で治してしまう
方がさっぱりしてて良いとわたしは思う

サインバルタカプセル 20mg×3+リフレックス錠 15mg×3 が
わたしの場合 それだった
最高の相乗効果が得られる薬と薬の組み合わせを
カリフォルニア・ロケット*というそうだ
*アメリカ合衆国の精神薬理学者スティーブン・M・ストールが考案した療法で、
単剤処方では十分な治療効果が得られない難治性うつ病を異なる作用の抗うつ薬で
神経伝達物質のさらなる増加を図るものである。
(ネットより引用)

カリフォルニア・ロケットを就寝前に経口投与すると
その翌朝には 脳内に花が咲き広がっていました

カリフォルニアへ行こう
わたしにも暮らせそうな 夢のカリフォルニアへ・・・・・・・・
自分の居たい場所は
制度に水を差されないところに
自分で創ろう、ってこと

そんな気持ちになれたことは、素晴らしい、ってこと

〈ありがとう、カリフォルニア・ロケット!〉

いま・ここ
築40年の 朝でも陽の当たらない アパートの
6畳間の 空容量の 3畳分を
ちいさな ちいさな 書斎として
わたしが、認識するという 出来事

デスクトップパソコンをひとつの中枢神経とする
都市計画・・・・・・・・
まわりには
亡くなった母の微笑んでいる一葉の写真と
Bluetooth キーボードと
機種変更したばかりのこれから慣れたい Android Ver8と
漆黒のプリンタと 直角の座椅子と
それから・・・・・・・・
詩のことばを求めて 漂い巡る わたしの指先。

〈ありがとう、カリフォルニア・ロケット!〉

〈ここは、とても 生き心地の 良い 場所です〉

All the leaves are brown (all the leaves are brown)
And the sky is grey (and the sky is grey)
I’ve been for a walk (I’ve been for a walk)
On a winter’s day (on a winter’s day)
I’d be safe and warm (I’d be safe and warm)
If I was in L.A. (if I was in L.A.) (ネットより引用)

どんな状況でも カリフォルニアを夢見よう

さまざまな時にさまざまな光と出遭った
さまざまな場でさまざまな光と出遭った
今朝も早朝覚醒だ 涼しくひと気の無い
早朝散歩の後にはノンアルコールビール
9月の わたしは 生まれ変わったよう

Stopped into a church
I passed along the way
Well, I got down on my knees (got down on my knees)
And I pretend to pray (I pretend to pray)
You know the preacher like the cold (preacher like the cold)
He knows I’m gonna stay (knows I’m gonna stay)

8月に精神的にひっ迫していたわたしは
いまの処方の薬で劇的な回復を得られた
気がつけば初秋だ早朝覚醒の続く初秋だ
新しいスマホに慣れようとしている今だ
不意打ちのような尿意に慌てている今だ

California dreamin’ (California dreamin’)
On such a winter’s day

California dreamin’ (California dreamin’)
On such a winter’s day

どんな状況でも カリフォルニアを 夢見よう

詩のことばを求めて 彷徨い巡るわたしの指先。

〈ありがとう、カリフォルニア・ロケット!〉

(ああ、いま・ここは、)

〈とても 生き心地の 良い 時空です〉

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

不意打ちのような尿意に慌てている今だ

 

 

 

ピンナップス

 

今井義行

 
 

 

三畳ほどの わたしの小さな 書斎です
PCとスマホ・タブレットを連動させて
います 何か湧いてきたら詩作をします
フェイスブックの投稿・閲覧もここから

*

今日も早朝覚醒だ 涼しくひと気の無い
早朝散歩の後にはノンアルコールビール
強い抗鬱剤と睡眠導入剤が劇的に効いて
9月の私は生まれ変わったような気分だ

*

今日も早朝覚醒だ 涼しくひと気の無い
早朝散歩の後 朝食 今日の幸いを想う

さまざまな時にさまざまな光と出遭った
さまざまな場でさまざまな光と出遭った

*

Have a nice day! 良い連休を!

*

母のおもいで──・・・・
ゆっくりと 歩きながら、還っていった。

*

東京・下町 平井の街を散歩してみると
たくさんの 青い物が ある街と気づく

*
さとう三千魚 様

詩の原稿を、メールにてお送りいたしました。
よろしくお願いいたします。

今井義行 拝

*

摂食障害(過食症)に、苦しんでいます。
連続飲酒ではなく、連続飲食・・・・・
冷蔵庫にあるものはあればあるだけ食べ
我慢できずに深夜でもスーパーへ向かう。
強い抗うつ剤の副作用か初めての経験だ。

*

内蔵バッテリーが消耗してしまったので、
スマホ機種変更。HUAWEI P20lite。

国産 Android から中華系への乗換えです。
価格は安くなり高性能化の著しさに驚く。
暫く遊べるかと思っていたら遊ばれてる。

*

さとう三千魚 様

詩の原稿を、メールにてお送りいたしました。
よろしくお願いいたします。

今井義行 拝

*

Twitter で、見つけた。その通りだと思う。
≪書けなくても、「書きたい」という気持ちはなくならない。しかし、書けなくなったとき、 何とかして書き続ける方策を求め続けるか、また書かないでそのままになってしまうか、と いうことの間には大きな差がある。≫(鈴木志郎康『現代詩の理解』p46)

*

さとう三千魚 様

詩の原稿をお送りいたします。
「ワードファイル」1 点と「画像ファイル」1 点です。
よろしくお願いいたします。

※詩の 1 行が長過ぎる場合の、行の折り返し方については、
さとうさんにお任せいたします。

今井義行 拝

*

新しい詩を、公開しました。
お読み頂ければ嬉しいです。

https://1drv.ms/w/s!AuMKztyQPhUJ-GKmDLAWG4spupWH

*

«ご案内»

わたしの新詩集『Meeting Of The
Soul (たましい、し、あわせ)』を
自分の在庫分からも販売したいと
思います。
定価 2700 円(税込)を 2000 円(税込)
にて直販したいと思います。

ご希望の方は、ご住所明記の上、
メッセージでお知らせください。

今井義行

*

今日も早朝覚醒だ 涼しくひと気の無い
早朝散歩の後 朝食 今日の幸いを想う

さまざまな時にさまざまな光と出遭った
さまざまな場でさまざまな光と出遭った

*

関聡美 様

こんにちは。
今日、詩集の代金、確かに受領いたしました。
ご購入くださって、本当にありがとうございました。

取り急ぎ、お報せまで。

今井義行 拝

*

概ねが 休暇にちかい わたしは
午前中に 2005年に出した 自分の詩集を
読み返していました
詩集としてどうかという箇所は多かった
が、〈季節はどの花にも責任をもつひつようはなかった〉
という一行を 記録できたのは 良かった

 

 

 

遥かなる影

 

今井義行

 
 

詩には、消費期限がある──・・・・
と わたしが 考えたのは

日本の名詩アンソロジーで
飯島耕一作品「他人の空」(1953 年)を読んだとき。

空0鳥たちが帰って来た。
空0地の黒い割れ目をついばんだ。
空0見慣れない屋根の上を
空0上ったり下ったりした。
空0それは途方に暮れているように見えた。

という一連目 わたしは、
自然界の鳥たちを写生した
陰影のある風景の詩歌と 考えたのだ
しかし、解説文があって

戦後詩を代表する心象詩であるとのことだった。

帰って来た「鳥たち」というのは「喪失者」のことらしい
「途方に暮れている」のは
「喪失者」たちのこころであるらしい

第二連をよく読んだのか、と
お叱りのことばを受けてしまうのだろう、か?

空0空は石を食ったように頭をかかえている。
空0物思いにふけっている。
空0もう流れ出すこともなかったので、
空0血は空に
空0他人のようにめぐっている。

ほら、「頭をかかえている」ではないかと
「物思いにふけっている」 ではないかと
それらは いずれも
人々の所作であるでしょう、と。

「血は」「めぐっている」でしょう、と。

そう言われたところで
わたしは 解説文に「はい」とは言えない

昨日の昼間 駅前広場で見た限り
餌を求めて無数の鳩が
ベンチに座ってシナモンロールを食べていた
わたしのまわりで
ぐるぐると
脳の入った頭を振りながら

それらの いきものは、
「頭をかかえている」
状態でもあったし
「物思いにふけっている」
状態でもあった──・・・・
腹を減らしていたんでしょう

詩に解説文なんていらないんじゃないか
文字面どおりに読んでいいんじゃないか
額面どおりさらっとでいいんじゃないか

「他人の空」は、消費期限切れだ。
2018 年 9 月 16 日現在
そうとしか 言いようがない。

もう、隠喩の場合ではない、
詩のそのような影は、遥かなる影だ──・・・・

 

 

 

愛のゆくえ

 

今井義行

 
 

I have lost interest in you already.
(わたしは、すでにあなたに対する関心を
失ってしまって いるのですが)

海に連れていってあげられたらよかった

日本の海の 江ノ島の
クリームソーダのように泡立つ波が

あなたの ブラックの肌に
どのように 降りかかるのかを
感じる ために・・・・・・・・・・

I want to live with you in Japan!

あなたは ワタシを もとめていたの?
それとも 二ホンを もとめていたの?

そこのところが 掴めず
わたしは 見逃がしてしまった

シングルマザーのフィリピーナ
あなたの 声音も誓いも 全部

残ったのはブラックの肌の 香りだけ
肌は 月経血の 香りがした

彼女は もう産まないと言った