新・冒険論 10

 

帰って
ホヤで姉とビールをのんだ

高速バスに乗った

新宿から
山手線で上野にでた

それから御徒町まで歩いて
西口焼きトンで荒井くんとのんだ

荒井くんとマヘルの”Lotus on maher”にいった

ここに脱システムはあった

工藤冬里さんにわたし
脱システムは売れないですねといった

 

 

 

新・冒険論 09

 

高速バスを降りた

横手から
電車で湯沢まで行った

途中
醍醐という駅を通った

醍醐は涅槃のことなのかな
緑の山々がこんもりと女のように過ぎた

姉は迎えに来てくれてた
姉の家では義兄と母に線香をあげた

同窓会では
幼い俤が残った顔たちをみた

通過していった
光っていた

 

 

 

新・冒険論 08

 

昼ごろ
ソファーに

モコは
眠っていた

眼が開いていた

重いリュックを背負い駅に向かった
途中でランタナのオレンジ色の花をみた

それから電車を待ち

電車に乗り
電車を降りて

高速バスに乗った

高速バスからは灰色の海をみた
暗い緑の山々をみた

通過していった
光っていた

 

 

 

新・冒険論 07

 

一昨日だったのかな

テトラポットに
しろい波が砕けるのをみていた

昨日も
河口まで歩き

海をみてた

河口には
サーファーもノラもいなかった

磯ヒヨドリはいた

テレビでは金髪の花札男とロケットマンが握手していた

そこに
自己利益はあるのか

着想はなかった
生に着想はない

 

 

 

新・冒険論 06

 

今朝
雨が降っている

夜中にモコに起こされた

雨の庭で
モコにおしっこをさせた

それからソファーに横になったが

眠れなかった
波多野睦さんの冬の旅を聴いた

ただこの世の生を受けた
南天の白い花がひとつひらいた

昨日

着想はなかった
着想もなく生を受ける

生に着想はない

 

 

 

新・冒険論 05

 

この世を
生きてきた

着想もなく

生を
受けて

この世を生きてきた

黒い蚊が右眼の視線の外にいる
視線の外に

断崖から海が平らにみえたことがある

この世も
平らだろうか

この世がデコボコに見えるとそのヒトはいってた

今朝
モコと散歩した

燕たちが曲線を曳いて飛んでいた

 

 

 

新・冒険論 04

 

蚊が
飛んでる

右眼の視線の外にいる

このまえ
映画をみた

ON BODY AND SOUL
ハンガリーの女性監督の作品だった

夢のなかに鹿がいた
食肉処理場で牛の首が落とされた

そこに
男と女はいた

どうなんだろうか

着想がないという着想だった

今朝
物干場で磯ヒヨドリの声を聴いた

 

 

 

新・冒険論 03

 

今日も

着想がない
ここのところ

チェット・ベイカーと
パッヘルベルのカノンを聴いている

戸川純も歌ってた

昼過ぎに眼医者から帰った
飛蚊症だそうだ

右眼の視線の外に
蚊が飛んでる

黒い蚊がいる

そこに
林があった

霧が
風に流れていった

着想がないという着想だった

 

 

 

新・冒険論 02

 
 

ここのところ
チェット・ベイカーを

聴いてる

桑原正彦は
声に幽かな揺れがあるよね

といった

昨日は
歯医者で顎骨にチタンの柱を刺した

帰りに海をみた

モコを病院に連れていった
左足に腫れ物ができてしまった

今朝
着想もなく詩を書いてみた

着想もないという着想だった

 

 

 

新・冒険論

 
 

ここのところ
チェット・ベイカーを

聴いてる

どこがいいのかな
全部が

いいの?

嵐が過ぎていった
風なのよ

風が吹いて
霧が流れていった

林が
みえた

神田で
小雪さんと会った

バー鳥渡で
谷川さんの詩が全部いいとは思いませんて

言っちゃった

ローマ字で詩を書けよ
女を書けよ