さとう三千魚
夕方に
コーヒーをポットに入れて
クルマで
海に出かけた
モコはいない
海がいた
空がいた
雲もいた
カモメがたくさん飛んでいたよ
風が吹いていたよ
クルマのバックドアを押し上げて
その下に
椅子を置いた
コーヒーを飲んだ
それから
0.35mmのシャープペンで
海と空と
雲を
スケッチする
#poetry #no poetry,no life
夕方に
コーヒーをポットに入れて
クルマで
海に出かけた
モコはいない
海がいた
空がいた
雲もいた
カモメがたくさん飛んでいたよ
風が吹いていたよ
クルマのバックドアを押し上げて
その下に
椅子を置いた
コーヒーを飲んだ
それから
0.35mmのシャープペンで
海と空と
雲を
スケッチする
#poetry #no poetry,no life
どこに
いるの
どこに
いったの
きみは
人称をなくした
時計まわりに
まわっていた
白い花
まわっていた
落ちていった
まわっていた
***memo.
2024年2月4日(日)、
静岡「水曜文庫」にて、
「 無一物野郎の詩、乃至 無詩!」として作った66個めの詩です。
タイトル ”10人称”
好きな花 ”時計草”
#poetry #no poetry,no life
音が
なかった
たいらな
雪原の
うえには
青い空がいた
青いね
青いね
春になったら
梅の花が
咲くよ
青空のしたに
梅の花は咲くよ
***memo.
2024年2月4日(日)、
静岡「水曜文庫」にて、
「 無一物野郎の詩、乃至 無詩!」として作った65個めの詩です。
タイトル ”冬の青い空”
好きな花 ”梅の花”
#poetry #no poetry,no life
はじめて
会えた
きみと
会えた
ぐらり
回転したわ
あなたが
わたしで
わたしがあなた
匂いを嗅ぐ
血を繋ぐ
血が騒ぐ
忘れない
あなたの歌
忘れないよ
***memo.
2024年2月4日(日)、
静岡「水曜文庫」にて、
「 無一物野郎の詩、乃至 無詩!」として作った64個めの詩です。
タイトル ”出会い”
好きな花 ”金木犀”
#poetry #no poetry,no life
詩を
読みたいのか
詩を書きたいのか
詩に
会いたいのか
どう
なんだろう
猫のいる
本屋で
ひとと会っている
#poetry #no poetry,no life
昨日
詩を
読んでいた
朝から
詩を
読んでいた
尾形亀之助を読んだ
鈴木志郎康さんと
清水哲男さん
松下育男さんを読んだ
亀之助は
“ガラスのよごれ” *
“二人は淋しい” *
と書いていた
“生きのびることが、” **
“生きのびることが、” **
と志郎康さんは
二度くりかえしていた
“暑いなあ” ***
と哲男さんは言っていた
“「助けてくれ」” ****
と育男さんは夢の中で二度叫んだ
どうなんだろう
わたしは夢の中で二度叫ぶだろうか
彼らは低い土地に佇っていた
詩を書いていた
きのうまで
“以無所得故” が *****
わからなかった
風が
吹いてきた
手紙をポストに入れる
* 尾形亀之助 詩集「美しい街」より引用しました
** 鈴木志郎康 詩「赤ちゃん」(浜風文庫掲載)より引用しました
・赤ちゃん
https://beachwind-lib.net/?p=21235
*** 清水哲男 詩集「換気扇の下の小さな椅子」より引用しました
**** 松下育男 詩集「コーヒーに砂糖は入れない」より引用しました
***** “以無所得故”は、般若心経の一節
#poetry #no poetry,no life
朝になる
まえに
珈琲を淹れている
珈琲の湯気の中に顔を入れてみる
年の初めに
モコは
消えた
白い骨になった
一昨日かな
ケージさんと
ジュンジさんと
飲んだ
ケージさんは絶食しているのだといった
痩せて
透明な眼をしていた
昨日
昼前に
河口まで走った
沖にタンカーが浮かんでいた
河口には
ノラたちがいた
なにも食べなかった
水と珈琲を飲んだ
いつか白い骨になる
#poetry #no poetry,no life
闘いが
続いている
地震も
あった
政治は腐ってる
おれは
行くよ
旅に
出るよ
バイクで行くよ
ハマボウの咲く
海辺の
街に
行くよ
***memo.
2024年1月8日(日)、
浜松「八月の鯨」にて、
「 無一物野郎の詩、乃至 無詩!」として作った63個めの詩です。
タイトル ”絶望の国の幸福な鯨”
好きな花 ”ハマボウ”
#poetry #no poetry,no life
行ったね
きみと
行ったね
赤石岳
行ったね
咲いていたね
咲いていたよ
紫色の花
オダマキの花
揺れていた
揺れていたね
登ったね
一緒にね
***memo.
2024年1月8日(日)、
浜松「八月の鯨」にて、
「 無一物野郎の詩、乃至 無詩!」として作った62個めの詩です。
タイトル ”大好きな貴女と”
好きな花 ”オダマキ”
#poetry #no poetry,no life
北へ
いく
明日
北へいく
咲くのか
チューリップ
咲かせてみる
咲かせてみる
チューリップ
咲かせてみる
***memo.
2024年1月8日(日)、
浜松「八月の鯨」にて、
「 無一物野郎の詩、乃至 無詩!」として作った61個めの詩です。
タイトル ”東北へ”
好きな花 ”チューリップ”
#poetry #no poetry,no life