石の息

2017.4.1.

 

芦田みゆき

 

 

4月の初め、石の彫刻家Iwaneさんの群馬県のアトリエを訪ねた。
自然をたくさん観たいという私の希望で、二人は車で近くの山へと向かった。
途中、無人の石切り場が見えてきた。
私たちは車を降り、そっと散策に出かけた。
草むらを掻き分け進んでいくと、川の音が聞こえてくる。
小さな川を越えると、切り出された石の山が見えてきた。
Iwaneさんはすべるように石のあいだを移動していく。
山の斜面に木が生えている。
石の土地にどうやって木は生えるのだろう?と覗き込むと、
石を抱きかかえるように木の根がしっかりと伸びていた。
あぁ、私たちは地球の表皮に立っているんだ。
そして石の彫刻とは、地球の一部分を切り出し、
エネルギーを移動させたり、刻んだりすることなのだと思った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ビリジアンを探して

 

芦田みゆき

 
 

2017.1.29
深夜、目をつむると、見知らぬ光景が次々を現われ、あたしは息苦しくて眠れない。その光景は、闇から湧き上がり、強烈な光となって眼前に広がる。そして消滅し、また、新たな光景が湧き上がる。
街のあちこちは、今日訪れた場所にとてもよく似ているが、よく見ると何もかもが異なっていて、細部は欠落している。記憶を切り刻み、失われた部分を想像で編み上げた新しい街。そこで、ビリジアンは全体に宿る。