Hitoha Nao
花は
空へ
空へと
向かっていく
明日は
散る身であろうとも
たとえ
散ったあとでさえ
空へ
空へと
風に
飛んで
姿 消そうが
花びら
朽ちて
土になろうが
空へ空へと
うす紅いろに 咲いて
やさしいときが
わたしの夢を 彩ったが
いま雨に
うたれている
もう
いつ散っても
おかしくはない
花は
舞いながら
はんなりと
わたしの胸を
照らすだろう
朧月夜の
街灯り
くるくる まわる
まんげきょう
街につもる
かなしみ まわる
こころにつもる
さみしさ まわる
どうか
お空に吸いあげてよ
しろくかがやく
お月さま
散りそめたもくれんの
朽ちていく すがた
あわれ
ひかり 萌え
花ばなの色 萌えだした
三月
ひんやり湿った
土の上で
咲くかのように
すこしずつ
かたちを かえて
縮んでいく
陽よふれ
風よふれ
この世の
うつくしきもの
すべてふれ
散り敷いていく
このはなに