告げるのは…

 

ヒヨコブタ

 
 

我が家にやってきた時計
かっこうが鳴いて響く音を目をつむって

いい声
数の間に山のこだまを

まだ暑かった頃の寒さを
思うのは
強がりのよう
子どもの頃からの強がりは
さみしがりを隠すため

家人が入院するという
しばらくかかるという

わたしはぼんやり聞いて
受け止めないでいる

痛みも熱も
受け止めないまま冬が来るだろう

銀杏も踏みつけないようにそっとあるいて
臭いと言わないように
大事に拾うひとに笑顔をもらう秋なのだから

ずっと強がる

 

 

 

○○スパゲッティ=

 

ヒヨコブタ

 
 

わたしのために野菜が刻まれる
じゅうじゅう
それらを聞きながら

スパゲティはケチャップたっぷり
ベーコンより豚バラ
粉チーズは少し控えめに

我が家のスパゲティ=ナポリタンだ

ケチャップはストックしておくのを忘れるな
1度でほぼ使いきるから
お買い得でもメーカーは守ること

父のスパゲティ
うまくいったときの70点以上くらいのときの

父の満足そうな食べる姿

わたしのための目の前のスパゲティ

 

 

 

あの日の、朝

 

ヒヨコブタ

 
 

写真のなか笑う幼きひと
会場に笑顔が並ぶ
すべて
年をかさねたそのひとだ

同じような日付にわたしの人生を重ねてみる

そのひとはよく笑った

笑いがそのひとの支えでもあった

わたしの故郷より
ずいぶん伝統あるまちに
そのひとは生まれたんだ
わたしより少しあとに

見送ることをいとわない
見送ることに臆しない
いつからかそう決めて

わたしの朝はきょうまたやってきた

おはよう
どこかにいってしまった
確かな存在