ある晴れた日の出会い

 

 

みわ はるか

 

 

もうあれから5年たつのかとカレンダーを見ながらふと思った。

5年前の今日、転勤により全くなじみのない町に一人で引っ越してきた。
住み始めたアパートには若夫婦とその子供からなる核家族が多く住んでいた。
その中の1つ、わたしの隣には当時小学校1年生だった少女が両親とともに生活していた。
わたしはその少女に心を救ってもらったことを今でもとても感謝している。

当時、わたしは仕事で何をやってもうまくいってなかった。
自分をさらけだして相談できる友人や同僚もおらず、途方に暮れ心を病んでいた。
生きる意味さえ見出せずにいた。
そんなとき、ふと窓を開けベランダに出て下を見ると、黄色い帽子に真新しいランドセルを背負ったその少女と目が合った。
屈託のない笑顔に、きらきらした目をわたしに向けてくれていた。
その顔からは、大袈裟かもしれないけれど、明日や未来に希望だけを見出しているかのように見えた。
残暑が残る8月下旬、その子の髪から滴り落ちる汗さえも美しい結晶のように感じた。
わたしの顔にも自然と笑みが表れ、もう少しだけがんばってみよう、そんな気がわいてきたのだ。

来年の春、彼女は中学生になる。

 

 

 

泥んこ銀製の夜

 

爽生ハム

 

 

深夜のポテチ、たばこの光が蛍

どこで手に入れる、そんな回路

これが蛍ならぶらさがってみる
これが蛍なら
これが蛍なら誰をおもってみる

蛍光灯の下、数える
夜と昼、でも、なぜか夜は稼げる
街灯に出会わない
とおいとおい街、夜景を見透かす
底辺の夜は、まがる

消費する昼に会いたい
破裂した深夜のポテチ
円盤が街を侵略する

寝ている人を棺桶にそっと移して
花が寝ている、場所へ連れていく

もう少し待て
湧き水が別れて
銀幕のスターが夜を
まわす、まざる、あける

 

 

 

ある晴れた日の出会い

 

 

みわ はるか

 

 

もうあれから5年たつのかとカレンダーを見ながらふと思った。

5年前の今日、転勤により全くなじみのない町に一人で引っ越してきた。
住み始めたアパートには若夫婦とその子供からなる核家族が多く住んでいた。
その中の1つ、わたしの隣には当時小学校1年生だった少女が両親とともに生活していた。
わたしはその少女に心を救ってもらったことを今でもとても感謝している。

当時、わたしは仕事で何をやってもうまくいってなかった。
自分をさらけだして相談できる友人や同僚もおらず、途方に暮れ心を病んでいた。
生きる意味さえ見出せずにいた。
そんなとき、ふと窓を開けベランダに出て下を見ると、黄色い帽子に真新しいランドセルを背負ったその少女と目が合った。
屈託のない笑顔に、きらきらした目をわたしに向けてくれていた。
その顔からは、大袈裟かもしれないけれど、明日や未来に希望だけを見出しているかのように見えた。
残暑が残る8月下旬、その子の髪から滴り落ちる汗さえも美しい結晶のように感じた。
わたしの顔にも自然と笑みが表れ、もう少しだけがんばってみよう、そんな気がわいてきたのだ。

来年の春、彼女は中学生になる。