わが町

 

爽生ハム

 

 

隣町の事なのか
見知らぬ看板娘が呼ばれている
私は看板を知りたい
電車からは見渡せない
私は看板と娘を切り離したい
いつも そう 思っていた
娘の美貌を
娘のえぐみを
隣町から聴いていた
美貌やえぐみはベルで知らされる
発車寸前で乗りこみ
間に合った車内で恐怖する
いつもの私の行動だ
私は看板娘の街をとばして
目を瞑り地図を見ていた
看板娘の街は
感染をかわす遠吠えで廻っている
私は
看板娘の街で
遠吠えをおこない感染して帰る
それだけを 想像していた