重い思い その二

 

鈴木志郎康

 

重い思いが、
俺っちの
心に、
覆い被さって来るちゃ。

ベッドに寝そべって、
テレビのワイドショーで
小池劇場を追っかけて、
三つ目の飴を口に入れると、
麻理から
「太るわよぉ」
って言われて、
口をもぐもぐちゃ。

そこでよ、
重い思いが、
俺っちの
心に
覆い被さって来るちゃ。

もう詩なんか、
書かなくても、
いいんじゃないかいね。
いやいや、
まだまだ書きますちゃ。
詩を書く以外に、
嬉しいことが
ないっちゃ。
まだまだ詩を書きますちゃ。

年金が支給される身で、
腰が痛くて、
ベッドに、
横になって、
テレビの、
ニュースシヨウを、
ずっと、
見てる。
テレビの中に
時間が進んでるちゃ。

豊洲市場の地下空間が発覚した。
盛り土されなかった地下空間、
女知事は、
それを決めた責任者たちを、
処分しちまったょ。

この秋は、
テレビの中の
小池劇場追っかけだったね。
俺っちの
心に
重い思いが
覆い被さって来るちゃ。
ちゃ。
ちゃ。

二◯一六年の
十二月三十一日も
もう数時間で終わるちゃ。
ちゃ。