山崎方代に捧げる歌 11

 

一本の傘をひろげて降る雨をひとりしみじみ受けておりたり

 
 

また
朝になった

西の山の
上の

月は

浮かんでいる
蝉の声を聴いている

このまえ比呂美さんは国分寺の講演で

着地点はわからない
踏切地点を探すのだといった

若い俤があった
底が抜けてた