ANOTHER NOSTALGIA

 

狩野雅之

 
 

今回はテーマというようなものは格別在りません。
 
あえてあげるならば、アンドレイ・タルコフスキーへの想いなのかもしれません。
 
彼そのものというよりは、タルコフスキーの紡ぎ出す映像の美しさへの憧憬。
 
彼の作品そのものが「憧憬」あるいはそれを含む「NOSTALGIA」なのかもしれない。
 
わたしはこの日そのような想いあるいは夢の中で目覚めました。
 
その朝は雨が降っていました。

雨の中で夜が明けたのです。
 
静寂がそこにはあった。

 


雨の朝に 静寂を聴く

 


美しい時間(雨の朝に)

 


夢 の あと に 明ける 朝 は おだやかで やすらかで やわらかい

 


仄暗い闇から蘇りし清きもの それはわたしではない

 


ノスタルジアの想いに浸る極めて個人的な目覚め

 


雨が降る 水の音 タルコフスキー を 思う

 


アンドレイ の 光 は どのようであったか それは光だったか 闇だったか

 


それを 聴く わたし は どこにいたのか 
それを 観る わたし は どこにいるのか