山手線の内側の

 

ヒヨコブタ

 
 

数ヶ月の生活があった
多くの他者のなかじぶんの病の
この先をゆっくり見直して
ながされていくことを確認する

足りないと思っていたのは焦りなのか
まだ焦りがさきばしるのか
あの頃の
答へのじれる感覚ではなく
諦めながら諦めていたのか
はっとして
楽になる

痛みは続くだろう、いつかまで
けれどもあのあたりを歩いた日々に
花を見、名前を知りたくなり空を見上げこころが凪いだ
突き刺すことばをわたしがひとにささぬことを願い
刺されたことは重要ではないと思うじぶんを
感覚を

水の流れのようなことばを紡ぐひとを見
いつまでも憧れ続けても
わたしはどこかにながれつくまで
望むことは強いないまま
ながされていきたいと

山手線の内側
すぐに景色も雰囲気も一変するばしょの
あのあたりにいたことを
まだ懐かしくは思わぬまま