届かない

 

きのう
かな

オカモトさんという方のfbで

良寛の
般若心経の書をみた

そこに
風はあった

穢れのないと
いうのか

一瞬の風だった

それから

きのう
ササキマコトさんの

「この世は、時々うつくしい。」という詩を読んだ

美容院で短めのボブにして帰ってきた奥さんを
美しいと思う詩だった

今日は春分の日で
雨の朝

河口まで走ってきた

細野晴臣さんの「ぼくはちょっと」という歌を聴いて
走ってきた

ぼくはちょっと黙るつもりです
という歌だ

小雨のなか海はわずかにうねって
いて

テトラポッドに海鵜が佇っていた

西の山が
群青だった

帰ってから
義母に線香を一本たてた

この歳で気づいた

届かない思いというものがある
届かないことばもある

だから
抱いていく

抱いて

そこへ
持っていく