Meeting Of The Soul (たましい、し、あわせ) Part 1

 

今井義行

 

 

Meeting Of The Soul (たましい、し、あわせ) Meeting Of The Soul
(たましい、し、あわせ)太字は作者による

Meeting Of The Soul (たましい、し、あわせ)
(し、あわせ)

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わたしは、東京・浅草橋会場のAA*に参加したことがある

AA(アルコホーリクス・アノニマス=1935年アメリカ設立
「匿名のアルコール依存症者たち」の略)

会場は カソリック教会の1室で義務のない献金で自立しているために
そのような会場が選ばれるのだろうな、と想った

真夏の午後の JR浅草橋・西口から 会場のカソリック教会
までには 幾つかの立ち呑み屋があった

スリップ(再飲酒)してくださいと言わんばかりのひなびた
街の光景に コップ酒の匂いが 滲みていた
わたしはドアを開き「はじめてきました」と
浅草橋会場の人たちに告げた ─── そして
さまざまな年齢層の アルコホーリクたちに振り返られた

[2つの発言を導入として]

「わたしは 今井義行といいます 53歳です 本名で参加いたします
(ニックネームをつける必然性をわたしは特に感じはしなかった)
連続飲酒30歳台後半から 退院後アルコールデイケア通所中です
本来家に1人で居ることが好きでやりたいこともあるのでそれが
断酒に結びつくと考えているのですが入院していた病院から患者
がどのように生活していくかの指針として同じ病気を持つ人たち
のミーティングへの参加を 強く勧められて 今回 まいりました」

「シャローム。* はじめまして、“イマイ” !!」(参加者)
*シャローム/ヘブライ語で「平和」

「わたしはナポレオン 32歳です 13歳の時に 友だちの家で呑んだ
ナポレオンが旨かった! 以来 連続飲酒 覚醒剤で服役あり 妻子
あり 家族には泥酔して部屋で壁をぶっ壊したり 暴言を吐いたり
して 迷惑を かけつづけてきました 反省はしています 妻子が
わたしを見捨てないでくれたことは ありがたいことと思います」

「シャローム。はじめまして、“ナポレオン” !!」(参加者)
ナポレオンも はじめて参加した人だった 金髪に薄青のサングラスが光る

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[ミーティング中の想いを中間報告として]

いま、たましい、は、しあわせ かしら・・・・・・・・・・・・?
わたしは、断酒のための「自助グループ」にはもう参加しないな
なぜなら、のこりの人生の目的は 「断酒」ではなくて、
わたしという 命がたどる 軌道での 人々とのまれな
邂逅。「たましい、詩、 ──・・・・・詩、合わせ」であるからです

邂逅。って 同病者の 集いに宿るわけではないと想う
例えば わたしの誕生日1963年7月13日生まれの人が
集ってミーティングして 生まれるのは空気の共有位だ

空気の共有等では駄目なの ソウルが、欲しい の !

それは、わたしが 「詩」を 書いてきていること
それゆえの 自我でもある かも 知れないけれど

ソウル、って誰か それは お互いの在り方を詩から
全方位的に受け止め合える言葉の配置であるあなた

人間は 【言葉の配置】その連続組み換えで出来て
いる だからさっきのAさんといまのAさんは違う

「自助グループ」って 人に救ってもらうことでもないが
自分で自分を救うことでもないと想う 現代(いま)の医学では
不治の脳疾患とだけ 解っていて 誰にも助けられないから
「霊性」の手に誠実に身を 任せて 誰のせいでもないとして

“言いっ放し、聞きっ放し”人々同士の口論には発展させない

「呑みたい」「隠したい」「狂いたい」「死にたい」OKだ
「呑むなよ」「隠すなよ」「狂うなよ」「死ぬなよ」NOだ

≪引用始め≫ *太字は作者による
ミーティングハンドブックより

『神様、私たちにお与えください。
自分に変えられないものを受け入れる落ち着きを、
変えられものは変えてゆく勇気を、そして、
二つのものを見分ける賢さを。』

[AA序文]

アルコホーリクス・アノニマスは、経験と力と希望を分かち合って
共通する問題を解決し、ほかの人たちもアルコホリズムから回復
するように手助けしたいという共同体である。
AAのメンバーになるために必要なことはただ一つ、
飲酒をやめたいという願いだけである。会費もないし、料金を払う必要もない。
私たちは自分たちの献金だけで自立している。
AAはどのような宗教、宗派、政党、組織、団体にも縛られていない。
また、どのような論争や運動にも参加せず、支持も反対もしない。
・私たちの本来の目的は、飲まないで生きていくことであり、
ほかのアルコホーリクも飲まない生き方を達成するように手助けすることである。

AA・12のステップ

【ステップ1】
私たちはアルコールに対し無力であり、思い通りに
生きていけなくなっていたことを認めた
【ステップ2】
自分を超えた大きな力が、私たちを健康な心に戻してくれると
信じるようになった
【ステップ3】
私たちの意志と生き方を、自分なりに理解した
神の配慮にゆだねる決心をした
【ステップ4】
恐れずに、徹底して、自分自身の棚卸しを行ない、
それを表に作った
【ステップ5】
神に対し、自分に対し、そしてもう一人の人に対して、
自分の過ちの本質をありのままに認めた
【ステップ6】
こうした性格上の欠点全部を、神に取り除いてもらう
準備がすべて整った
【ステップ7】
私たちの短所を取り除いて下さいと、謙虚に神に求めた
【ステップ8】
私たちが傷つけたすべての人の表を作り、その人たち全員進んで
埋め合わせをしようとする気持ちになった
【ステップ9】
その人たちやほかの人を傷つけない限り、機会あるたびに、
その人たちに直接埋め合わせをした
【ステップ10】
自分自身の棚卸しを続け、間違ったときは直ちにそれを認めた
【ステップ11】
祈りと黙想を通して、自分なりに理解した
神との意識的な触れ合いを深め、
神の意志を知ることと、それを実践する力だけを求めた
【ステップ12】
これらのステップを経た結果、私たちは霊的に目覚め、
このメッセージをアルコホーリクに伝え、
そして私たちのすべてのことにこの原理を実行しようと努力した

※誤解を受けやすいのは、AAの回復のプログラムに
スピリチュアルな力を受け入れるという概念があるからでしょう。
このスピリチェアルな力をAAでは「ハイヤー・パワー」と呼び、
日本語では「自分より偉大な力」と呼んでいます。
≪引用終り≫

輸入品としてのハンドブックは 翻訳されると【神】
という 言葉が多用されて 患者たちに 届けられる
そうなると ハンドブックは 【聖典】のようになる

酒を絶つ以前にこれら文言に戸惑う患者たちは多い
ハンドブック序文に「AAはどのような宗教、宗派、政党、組織、団体
にも 縛られて いない。」と あるではないか、と

 

(続く)

 

Meeting Of The Soul (たましい、し、あわせ) Part 1」への2件のフィードバック

  1. 大作お疲れ様でした。なんか映画をみるよなかんじでした、詩に新しいジャンルを与えたような作品でした、僕なら途中で忘れちゃいます。

  2. 長野充宏さま

    コメントをどうもありがとうございます。
    ≪詩に新しいジャンルを与えたような作品でした≫
    とても嬉しい受け止め方をして頂けて、光栄です。
    でも、いまの段階では、一通り書き終えたという状況で
    これから手を加え、もっと厚みを与えていきたいです。
    いずれ、改訂版を公開いたしますので、
    そのときは、どうぞまたご高覧ください。

    今井義行 拝

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