神の聲 魔の聲

 

尾内達也

 
 

 

わたしはかつて神の聲を聞く者だった
神々が入り乱れて
叫びながら闇を乱舞している
聲が聲を貫き 聲が聲を惑わし
闇の渦を作っている
冥冥として悲しく
不不として痛い

すると一転
卑猥なことを
神々が叫び始めた
たがいの性器を
猛りあい湿りあい
淫淫として歪み
冷冷として一つ二つ三つ

あの聲はかつて地上に現れた者どもの聲
綿々と老いた ののしりの 断末魔
否否としてひかり
暗暗として怒る

神の聲に耳を傾けてはならない
鳴鳴として剣のような
魔の聲を断て
心中は もはや
聲であふれ

いま
目を瞑ると

のんのん
のんのん
白い手
のんのん
のんのん
白い手

 

 

 

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