秋の空

 

尾内達也

 
 

 

なんとも言いようがないことを
木に言う
朝の寿公園の大銀杏に言う
言葉にならない言葉で
木に語る
幹を撫でながら
皮膚で語る

人間には話しようがないから
銀杏に話す
それは愚痴ではなく
沈黙でもなく
なんとも言いようがないから
なんとも言いようがないのである

遠く市役所の工事の
クレーンが
秋の空へ
突き刺さっている

銀杏の幹は
松よりもあたたかい

なんとも言いようのないことを
皮膚で読んでみる

 

 

 

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