離ればなれに

 

原田淳子

 
 

 

Bande à part

青が煽るたそがれ
ふつふつ胸騒ぐ

クロワッサンの横顔
レジスタンスのカフェ・オ・レ
革命のブラックコーヒー

わたしの手足は闇いろの棘
冬の木枯らしにきれぎれに
剥きだされた苦い肌

わたしの海は銀の砦
飛沫をあげて
哭いているのは人魚ではなくて

Bande à part

ここはつめたくて
カフェオレも醒めてしまう

一千一秒の朝
幾億の夜
ミルクは溢れて

離ればなれでいることで
その惑星が光るなら
きっとそれがいいのだと
わたしに囁く銀の糸

降らすは銀の雨

青、煽る

哭いているのは

哭いているのは

 

 

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です