ひとすじの

 

ヒヨコブタ

 
 

夢みたものはちいさな幸福で
願ったものはちいさな愛
だった
いつも、いつからか

どこか儚げなのに
このことばはわたしから離れない

独りにしない、独りだとまず思わない
わたしが
というのはここにあるのかもしれない
たとえどう見られようとも

独りを感じるのはとても容易く
とても淋しいものだと
過去のわたしは
いう

いつからかきれいな嘘をつくことになれていた
他者が納得するだろうことを並べて
生き延びるためだとしたら
よくやったともいえるのか

この輪のなかにあんたは入れないと
子どもの遊びにもある残酷さ
入れないという子達の気持ちを想像する
待って
わたしは
入りたくないのといわない
強情に
入りたくないと
いわずに

輪のなかにいないでいるひとが
たくさんいたことに
いつか気がついた
いないと決めたひとの年月も歳もさまざまに
そのひとたちを
ときどき思い出す

懸命に生きていることは変わらない
誰もがそうだろうに
なにかをはじきだすことに
意味を感じられずに
きた

うつくしいと思うことも
そうでないと放つことも
自由なら
わたしは
うつくしいと感じることができるしゅんかんを
切り取っておく
ふりかえるとき
そこに誰がいるか
こころはいつも躍る
ことばもひとも
じぶんに留めて
もうすこしだけ泳いで
夢みたばしょにいつかたどりつけますようにと
今日も
大切なことを切り取って
いる

 

 

 

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