光の疵 冬のはじまり

 

芦田みゆき

 
 

大きな鳥をつかまえた
鳥はあたしの腕のひとかかえほどあって
嘴を閉じ
荒々しく息をしている
鳥を抱きつづけることは
あたしをひどく弱らせた
鳥の頭内に次々と去来する
空に関する鮮明な妄想が
あたしの汗となり
流れ落ちていく

 

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10-6

 

 

 

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